部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
「暫定犯人……あくまで暫定だ。それに、単独犯で有るかどうかと言うのも疑問だな」

「――共犯がいるって事?」

「そう、密室だと言うところが問題で、どう言うトリックを使ったのかは今のところ分らんが、一応頭に入れておいた方が良いだろうな」

「ふむ……共犯か…」

亜矢子は琢磨の共犯と言う言葉に敏感に反応した。確かに一人では無理かもしれないが、複数犯だったら……何人かグルになって嘘をついてるとしたら、密室の問題も解決できるのではないかと考えた。

しかし、その場合の周囲に対するメリットは何だろう。殺人等と言う重大な犯罪の片棒を担ぐんだ、それなりの報酬が必要な事は明かだ。

「ねぇ、琢磨……」

亜矢子がアイスコーヒーをストローでかき混ぜながら複雑な表情でこう尋ねた。

「もし、あんたが誰かに私を殺そうって持ちかけられた時、どう言う条件なら引き受ける?」

「ん?条件なんぞいらん」

即答だった。
< 56 / 121 >

この作品をシェア

pagetop