部活探偵のツンデレ事件簿－タイム・トリッパー殺人事件－

「やっぱり、怨恨の類なのかしら……」

亜矢子はブランコに座って両足を投げ出した格好で横に立つ琢磨に尋ねた。

「まぁ、一番自然なのはそんなところだろうな」

少し離れたジャングルジムでは、小さな子供達が歓声を上げながら元気に遊んでいる。っその様子を見詰めながら亜矢子は更に考えを巡らせた。

「普通、怨恨の関係で特に激しい殺意を覚えた場合は殺された相手の傷が激しいんですって。特に背中に傷が有ったら、殺意満々。殺す以外の頭は無いらしいわ」

「しかし、今回の傷口は一カ所だけ……だが、それだから恨みが少ないなんて事は言えないだろ。一撃必殺で殺したい位、憎かったって事も有り得る訳だが……」

「ちょっと苦しいわねぇ」

「可能性の問題だ」

琢磨の意見を聞いて亜矢子はブランコから、よいしょっと立ち上がる。そして、何気なく後ろを見ると、幼児たちの列……その先頭の女の子がいぶかしげな表情でこう言った。