部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
「――おね~ちゃん、かわって…」

「あ……ああ、ごめんねぇ…」

亜矢子は女の子の頭を撫でながら、本気ですまなそうに謝ると、琢磨をせきたてて、その場を後にした。

「何処に行く気だ?」

「決まってるじゃない、学校よ」

「何しに?」

「現場百回、捜査の基本よ。現場主義は全ての職業に共通した最重要課題」

「――ったく、何度見たって変わらんだろうが……」

喜々として学校に向かう亜矢子の表情は、おもちゃを貰った子供のそれ、そのものだった。
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