部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
チャイムが鳴って、全校放送が流された。それによると、学校内に居る者は大至急、第一体育館に集合する様にと言う事だった。

「何だ?」

亜矢子と琢磨もその妙な放送を聞いて顔を見合わせた。

「行って見ましょう。ここに居たって退屈なだけだしさ」

「だから、宿題やれよ……」

琢磨の訴えはあっさりと却下されて、亜矢子は琢磨にくるりと背を向けて、すたすたと部室の外に出て行った。その後ろ姿を慌てて琢磨が追いかける。

「何かしら?なにかくれるんなら嬉しいけど、学校が用意する物だから大した事は無いわねきっと」

「莫迦、そんな訳、ねぇだろ。おそらく、部活で何か事故でも有ったんじゃないか?」

「事故?」

「ああ、運動部で誰か倒れて意識不明だとか科学部が実験に失敗して爆発したとか」

横に並んで歩く琢磨の横顔を亜矢子はちらっと見てから何か裏が有りそうな目つきでじっとその顔を見詰めた。
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