部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
「ま、細かい事は抜きにしようじゃないか。学校と言う処は、意外と閉鎖された環境だ。極めて近い歳の子たちの集団だからね」

亜矢子は前原の「子」と言う言葉にピクリと反応した。

こいつは、明らかに自分達を子供扱いしている事を察して、不機嫌そうな表情を作ると腕を組んで前原に、ぷいっと横を向いて見せた。前原は、亜矢子の少し子供じみた行動が妙に可愛く見えて亜矢子の横顔を、目を細めて見詰めた。そして再び語り出す。

「だから、我々みたいな年寄りが、ずかずか入り込んで行くと、拒否反応を示す者が多いんだよ」

亜矢子は視線だけで前原を見詰めると、物凄く不満そうな表情で重い口を開く。

「そうよね。はっきり言って、浮いてる。特に刑事だなんて分ってたら近寄りた
いとは思わないものね」


「そう言う事だ。そこで君達に頼みたい事が有るんだが……」
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