部活探偵のツンデレ事件簿-タイム・トリッパー殺人事件-
琢磨の言葉を聞いた亜矢子はゆっくりと瞳を閉じて両腕を組み、微笑みを湛えて静かに琢磨にこう言った。


「我儘は女子の体の一部。必ず付いてくる物よ。それを満足できない男は自然淘汰されて行くの」


琢磨は軽い眩暈を覚える。


我儘をかなえられない男は、男じゃないって事かい…ああそうかい…ああそうかい…以下、この言葉が無限ループ、思考が次のルーチンを呼び出せない。


前原は、その状況を目の当たりにして琢磨の未来を心から案じた。


「琢磨君…禿げるんじゃないぞ…」


前原の言葉には現実味が有って、もし琢磨の耳に届いていたら立ち直れない程のダメージを与えていた筈だ。それが聞こえなかったのは不幸中の幸いだった、こうして三人の結束は固まって行くのだった。
< 92 / 121 >

この作品をシェア

pagetop