初恋~小さな男の子~
「なぁ・・・何で軽音部に入ったんだ?」

「・・・憧れかなぁ?」

「憧れ?」

「うん。お母さんとお父さんがバンド組んでて、
 すっごいかっこよかったの。
 あ、お母さんがボーカルでお父さんはドラムね。」

私は心の奥に潜めていた思いを那音に言った。

「有名だったのか?」

「ううん。バンドってロックな感じがするでしょ、
 でもお母さん体が弱かったから
 それができなかったの。」

「ふぅ~ん・・・」

那音はそう答えると真っ白な五線譜だけの紙を見つめていた。
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