Tree~一つ一つが葉になるとき
少女は迷った。
できることなら自分をいつまでも
忘れないでいてほしい。
でも前を向いて凛々しく新しいスタートも
きってほしい。
様々な思いが少女の中で交錯する。
しばらくして彼女はある決断をする。
恋人の部屋を出るとそこには一面の雪。
雪は静かに肩に舞い降りる。
触ればはかなく消えてしまいそうで・・
一人目を閉じ考える。
死んだことを受け入れた時に伝えたい言葉・・
それはたった一つ。
簡単に言えそうでなかなか言えなかった言葉。
「出会えて良かった」
翌朝、青年は自分がいつのまにか握りしめていた
赤いバラに気付いた。
何故自分がこれを持っているのか、
何故昨日自分はあんなにも泣いていたのか、
そんなことは全く思いだせなかったけど、
彼の心は明るい光で満ちていた。
《FIN.。o○》