幸せはすぐ傍に①
始業式が終わると同時に起きた蓮はまた私の手を掴んで体育館を出た。
そこでもやっぱり女子からの痛い視線と男子からの尊敬の眼差しをうけた。
「今度はどこにいくんですか?」
「…」
綺麗なシカトをくらった。
屋上に続いているらしい階段を黙々と歩く。
[バンッ]
蓮が勢いよく扉を開けるとともに、眩しすぎるほどの光が入ってきて、思わず私は目を細める。恋人でもないのい手はつないだまま。無性に恥ずかしい…。
屋上にはすでに先客が居て、パソコンをしている人もいれば、気持ち良さそうに寝ている人も、楽しく誰かと電話をしている人もいて、それはもう個性豊か。