幸せはすぐ傍に①
玄関前で座って溜息を吐いた。
あ~あぁ~朝から気分がだるいわぁ~。
「柚莉ぃ~もぅ行った~ってあんたまだ居たのッ!?早く学校行きなさいよ~」
「えぇ~」
私に学校に行け。…と冷たいセリフを吐いているのは私を拾ってくれた超親切な人。若田部 蘭[わかたべ らん]さん。普段は優しいんだけど、起こると鬼のように怖い。…それも当然。昔はかなりのやんちゃ者だったらしくて、黒蝶っていうレディースの総長をしてたらしい…。
「高校生になるって昨日あんだけ騒いでたじゃない??」
「昨日は昨日。今日のこの状況じゃぁそんな気分になれないよぉ~」
入学式早々寝坊さッ!!そして遅刻さッ!!うんッ!!不良まっしぐらッ!!キャ♥
あ~いいねぇ~なんかこの気だるさいいわぁ~最高だわぁ~
「…柚莉…??」
恐ろしいオーラが後ろから殺気のように降ってくる…ランさん…お怒りモードすでに…??