サヨナラいとしい子
やっぱりハルトには、
アタシの気持ちが
ちゃんと伝わってるんだわ。


うれしい。


「緊張して、すごい汗かいて、
不格好だったけど、
頑張ったよ」


それで、彼女何て?


「彼女、“喜んで”、
って言ってくれた」


ほんとうに?!

よかったじゃないの!


だから言ったじゃない、
大丈夫だって!


貴方はほんとうに
いい子なんだから!


「お前のおかげだよ、
ありがとうココア」


何言ってるの。
頑張ったのは貴方よ。


でも、ここからが
勝負なんだからね!


しっかりエスコートするのよ!



でも、心配だわ、
大丈夫かしら。





ふいに今、
ありありと思い出した。


初めてハルトに会った
ときのこと。



一生懸命、
アタシを飼うこと、
両親に頼んでくれたわよね。




そうそう、やっと思い出した。


アタシが捨てられたときのこと。



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