ヌイグルミは投げるものではありません

「あ、そこの髪ツンツン」

「……」


迷子になって5秒、目の前にいた髪の毛を遊んでる男の子に声をかけた。

無視をされた。

イラッとしましたので、わたくしは近くにあったゴミ箱から空き缶を取り出し、野球選手のように構えて一直線に投げた。


「いてっ……」

「おい、そこのツン毛! ハゲる前にこっちこい」

「……知らない。俺は何も見てない」


葵が逃げた。あとで覚えてろ。
バリカンで、その茶髪の髪を剃ってやるからな。


「てめぇか?」

「おう、そうだ」

「何しやがる。俺の整った髪が崩れただろうが」

「ふぁ……、知らね。ってか、どこが整ってる?」


テキトーに髪を遊ばせてるようにしか思えない。

眠くてアクビが出る。

俺様のナルシストさんですかぁ、めんどくさいですねー。

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