今日も今日とて僕は僕をコロシます


「君と付き合えるのは俺だけだ。俺は君の王子様なんだよ!」


吹いた。
告白で笑ってしまうとは、いかんいかんと口元を整えて断った。


「いや、僕に王子様なんかいないし。迷惑です。やめてください。無理です。諦めてください」


あり得ないから、とそいつを横切ろうとしたが、腕を掴まれた。


ぬるぬるは汗でもかいているのか。


「ダメだ、君は俺と付き合うんだもん!」


いい歳こいただだっ子がいた。


断りを入れているのに、なんでこいつは引き下がらない。


どうあっても、僕は男のお前になびくはずがないのに。


小狐丸で切りたい。きっと気持ちよく断つことができるんだろうなぁ。


人前だから無理無理と思い、腕を振ろうとした矢先。


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