今日も今日とて僕は僕をコロシます


ライトの風景はあぜ道だった。草が車の下を擦る音がする。

ひとしきり走らせたあと、車が止まった。


先には貯水池というのかあれは?的な水貯め場。田んぼなんかに水を流すためか、コンクリートで作られた壁に囲われた貯水槽があった。


赤い文字で立ち入り禁止と書かれた白い棒が、近くに突き刺さっている。


まあ、見た感じは深そうだし、いいか。広さも充分だ。


「窓、開けてもらいませんか?四つとも。ああ、全開じゃなくて、3分の1程度で」


なんでと疑問に思っただろうが、死神たるの僕の言われるがまま、窓は開かれた。微弱な風が車内の温度を下げる。


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