今日も今日とて僕は僕をコロシます


水に混じった土の匂い。泥臭さと血の匂いはよく似ていると思った。


「はあ……」


運が悪いのだろうか、これは。


上着を脱いで、ボストンバックについた血を拭いた。何を隠そう、返り血を考慮した僕はこんな時のために生地はエナメルなのだ。さっと拭けば、血なんて落ちる。


あとは新品の着替えを出して着替えるだけで、僕は夜の散歩を決め込んだ一市民に変身できる。子供に人気でない変身だが。


車は沈みっぱなし。窓が空いているのである程度いけば、一気に車内に水が溜まり、底へと行くだろう。


半分も開けていないので、死体が車内から出てくる心配もない。


僕の指紋等も水で洗い流されるだろう。

後、やり残したことはない。


完璧に終わった。


また今日も僕は殺せたのだ。


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