今日も今日とて僕は僕をコロシます


口からだらしなくギトギト液体を出しながら、豚は動かなくなった。


それを見るなり、先生はケータイを出し。


「ああ、すまんな。どうせお前、外回り中かと思って。事件だ。ことは済んでいるが、パトカー飛ばしてすぐに来てくれ。あと、念のため救急車もな。場所は――」


警察にでも連絡したと予想できた。110番にしては、ずいぶんとフレンドリーな感じだが、知り合いにでもかけているのか。


何にせよ、今は雫を解放してやらなくては。


つうか、豚を吹き飛ばしてから手を縛る縄をほどこうとしているのに結び目が固すぎる。


豚は完全に沈黙しているが、早く解放してやるにこしたことはない。


「待ってろ、今……!」


何結びだよ、これっ。イライラから力任せにあちらこちらと引っ張ってみたら――何とか外れた。


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