今日も今日とて僕は僕をコロシます


蛇のウロコみたいな赤い痕がついた腕。自由になるなり、雫は僕に抱きついてきた。


「うー」


「もう大丈夫だから」


口を縛っていたタオルはずらすだけで簡単に外れた。


「そーちゃん、ううっ」


「今、足も外すな。だから、ちょっ、体を離せ」


「やだーっ、怖かったんだから!」


「だからもう大丈夫だって」


「うわああん!」


あー、これぞ雫だー。


はあと安堵のため息が五秒くらい出たぞ。


一番の安心。
部屋のベッドで寝るよりも凄い安心できる。


「無事で良かった……」


改めて、雫の大切さを知ったが、こんなことはもうこりごりだ。


誰かを失うとはこんなにも苦しく――


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