今日も今日とて僕は僕をコロシます
「もしもし」
『もしもし。そちら、柳葉草様のお電話でしょうか』
事務的な口調の女性だ。髪をまとめたエリートウーマンを想像する。
「そうですが」
『私、城座警察署の吉田というものですが』
「ああ、はい」
城座とは木楽町の隣市の名前。木楽に警察署はなく、木楽で起こる事件の大概は城座市の管轄だ。
『今回お電話させていただいたのは、三日前に起きた拉致監禁、及びあなたへのストーカー行為を行なっていた竹山氏について、あなたにお聞きしたいことがありまして、こちらにご足労願えないかと思いまして』
「電話じゃダメなんですか」
『はい。色々とあなたに見ていただきたいものもありまして、本日がダメならまた後日でも構いませんが、捜査のためにいち早く協力をしていただけませんでしょうか』