野球なカレ。
馬鹿。あたしの馬鹿。




あたしは席を立って、廊下に出ようとした。


なんか無性に泣きそう。



「唯!?どうした?」



やばい、逃げなきゃ。

思ったときにはもう遅くて、手を取られていた。



「…唯?」



お願いだから、あたしのこと見ないで。


悲しそうなあんたの顔、想像しちゃうから。



「どうしたんだよ。」



無理やり、カラダごとコウの方へ向かされた。



「唯?なんで…。」




気づいた時には、もう涙が止まんなくって、どうしようもなかった。



「唯…。」



ぐいっと引っ張られ、コウの胸の中。



あったかい。





コウの胸のなか、どことなく幸せだった。
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