青い海
「そっちの親には連絡しといた」
「なんてゆったの~?」
「『昨日看病して頂いた郷本ですが、熱をうつしてしまったので下がるまでこちらで面倒を見させてもらえませんか?』って」
「返事は?」
「『いいえ、迎えにいかさせていただきます』」
「やっぱり」
「『病院代や食費はこちらで払わせていただきます。昨日の恩返しがしたいんです』って言ったら『でも・・・勉強が・・・』って言われたから『あとで僕が教えます』って言ったら『女の子が男の子の家にお邪魔するのは・・・』って言われたから『大丈夫です。熱で倒れてる女の子に手を出そうだなんて思いません』って言ったら、『じゃあお願いしましょうかねぇ・・・』って言われた」
「長い・・・・まとめて・・・」
「まぁ、手っ取り早く言うとここで診てくれといわれた」
「そっか・・・・・いつまで?」
「治るまで」
「いつまでだよ・・・・」
「何日でも」

に~っこり。

ねぇねぇ、誰かこの人の顔を見てみてください。なんか怖いっス。
「つーわけで、ここで寝てて」
「う゛~・・・了解」
布団の中に潜り込み、意識を手放した。
< 50 / 116 >

この作品をシェア

pagetop