青い海
「もういらない」と言われたくないから。
「・・・・その気持ち、わからないこともないよ？・・・つーかさ、なんでそれを俺に言うの？」
本当にわからないというような瞳で訊いてくる。
へ・・・・・？なんでと言われても・・・・・なんでだろう？
「・・・・・郷本君の周りの空気が気持ちいいからかな？」
「・・・・・・・・・・・・は？」
「郷本君には警戒しなくてもいい気がしたから。郷本君は言わないでほしいことを言ったりしないと思ったから」
誰かに言ったりしたら、生きながら地獄をみることになると思うけど。
「・・・確かに言わないでほしいことは言わないけどさ・・・・・・俺、一応男なんだけど・・・・・」
そんなわかりきったことを言われても・・・・・。
「・・・・・それがどうしたの？」
「・・・・・」
なんか怒っちゃった？
「あっ、大丈夫。心開いたの郷本君が初めてだから」
「・・・・・」
「・・・なんか怒ってる？」
「・・いや、別に」
やっぱ何か怒ってるよ～・・・。
「なにか悪いことしたっけ？」
「なにもしてないと思う」

そうして、私たちの友情関係は結ばれたのである。でも郷本君は少し嫌そうだ。まぁ、そんなことは気にせずにこれからも友達でいよう。嫌がったとしても、無理やり。
< 6 / 116 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop