青い海
「・・・・それとこれとは話が別だけど」
「ん?」
「熱でてる人間になにやってんだよ!!紗琥!!」
「ありゃりゃ・・・」
「完治したのに足には力入んないし!!」
「別に帰る必要はないんだし・・・」
「トイレに行けない!!」
「・・・肩貸す」
「料理ができない!!」
「・・・出前とる」
「風呂行けない!」
「身体拭いてあげる」
「・・・・紗琥に触れない」
「俺から触るよ」
紗琥、マジで力入んない。
顔は熱いし・・・身体ヘニョヘニョだし。
「明日学校・・・・・」
「俺も休むよ」
「勉強・・・・」
「大丈夫、先生に教えてもらう」
「じゃあ・・・・紗琥」
「何?」
「一緒に、寝よう?」
触れていたい。一人で過す夜は、もう嫌だ。
「・・・わかった」
ガサゴソと、布団の中に入ってくる。
紗琥の冷たい身体が、しだいに温まってくる。
手を握って、眠った。
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