青い海
「紗琥・・・・・・お前アホだろ」
「はい、アホです」
机の下に隠れていた紗琥が返事をした。
「お前帰ったんじゃないの!?」
「俺の替え玉なら帰った」
「偽物使ったのかよ!!」
「・・・どうやって帰ろうかなぁ~?」
「・・・・・・・帰る方法なんてないよ」
「なんで?」
「私は基本的に学校以外で外には出ないんだ」
「へ~・・・だからあまり日焼けしてないんだ。じゃあ、なんで始めてあったときには出てたの?」
「あの時はエナメルに服とか入れといて、トイレとかで着替えてたんだ」
「・・・・おいおい」
「だから学校のとき以外、外には行ってないんだよ。どうするんだよお前帰れないよ」
「帰れるよ?・・・・・ここから」
そう言って、窓をコンコンと叩く。
「いやいやいや・・・・ここ2階だよ?」
「隣は?」
「マンション。・・・空き部屋」
「ここに引っ越せばいい」
「・・・紗琥が?」
「うん」
「どうやって?」
「今からするから」
今から?
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