矛盾という名の願い
「浅灯 琉伊(アサヒ ルイ)。よろしゅう」
人懐っこい笑みを浮かべる銀色の髪をした関西弁の男。何故かその笑顔に落ち着いた。
「…………」
あの舌打ちした男は私を睨んで何も話さない。
私は為す術もなくその視線に耐えられなくなって目を逸らす。
「ほらっ、朔もっ」
尭哉くんがその男に言うと不機嫌そうに私を睨みつけながら
「………彌守 朔兎(ミカミ サクト)」
とだけ言った。
思わず眉をしかめた私に深影さんが苦笑いしながら私に言う。