矛盾という名の願い
一人でふらふらと歩いていた。
もう死ぬ方法は決まっている。
死ぬことに対して恐怖などなかった。
そんな感情、私にはないのだから。
街で一番高いと言われている歩道橋の上に立つ。ここから落ちたなら一発だろう。
ふと爆音とも言える音が響き下に目をやる。すると物凄いスピードで通過していく無数のバイク。
あぁ…暴走族の暴走か。
ちょうどいい。ここから落ちたところをあのバイクたちにひかれれば間違いなく助からない。
歓喜のあまりにこの場で大声で笑いたい気分だ。
まぁ、ひいたやつは後味悪いかもしれないけど。
私には関係のないこと。
他人なんてどうでも良いんだし。