年下の罠-年下の悪魔-
鞄の奥にしまってある携帯電話。
いつもみたいにマナーモード状態。
最近、マナーモードにしてる事の方が多い。
ま、どっちにしろ涼君から連絡が来た気配はなさそうだ。
変わりにDVDショップのメルマガが大量に受信されてたけど。
携帯電話なんて
ただの連絡手段の1つだし
こんなもので愛情を図れるなんて思ってない。
こんなものに振り回されたくないのに。
助手席に座る私の思い詰めた顔を見て、アサミが心配そうな顔をしてる。
何でアサミまで泣きそうな顔してんのよ…。
「今日はごめんね!晩御飯のはずが私の愚痴大会みたいになっちゃって」
「それは全然大丈夫だけど…」
精一杯、いつもの明るい私を演じる。
誰が車ごときの為に涙なんか流すかっつーの…。
「あ、あのさ、ゆい。明日はいつもみたいに夕方からの勤務?」
「え?そうだけど?」
「じゃあさ、明日の朝は暇なんだ」
「うん、まぁ。いつもみたいに寝てるけど」