年下の罠-年下の悪魔-
待ってても仕方ない…
お風呂でも入ってDVDでも見よう。
何て思いながら、諦め悪いな私。
もし、この後
涼君の気が変わって
デートに誘われたらって期待してる。
そんな事、有り得ないのに
あの人の洗車に対する情熱を誰より分かってるはずなのに
淡い期待を消せないでいる。
携帯電話をマナーモードにして風呂場に向かった。
着信音が鳴らなくて
「マナーモードだから聞こえないだけ」
って、自分に言い訳出来るように。
―次の日―
「ゆ、ゆいちゃ…何か今日イライラしてない?」
「あ…何がですか?」
只でさえ、脆く柔らかい豆腐なのに、荒い手つきでザクザクとぶつ切りにして行く。
昨日、お風呂から出た後も
涼君からの着信もメールもなし。
分かってたよ。
99%分かってたよ。
分かってたけど
その1%にしがみついてしまっていた。
いや、1%じゃなくて
20%ぐらいは期待してた。
会いたさなんて
当に100%を振り切ってた。