天使の羽根

「うん、穂高はきっと、あずみのプレゼントを買いに行くはずだってさ。どうせ、そうなんだろ? ま、俺も……」

 話も途中に、バコンっと思い切りいい音が風に紛れた。

 頭をはたかれた高志は、痛みの走ったそこを両手で押さえながら、訳が分からず穂高を睨み返す。

「いって~な、何すんだよっ!」

 だが、その威勢もそこまでで、高志の反撃する気をなくしたようだ。
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