天使の羽根

「なんだい、忘れてたのかい? 馬鹿だよこの子は、自分もそれだけ年をとってるんだよ」

 言いながら智子は、高生の背中を思い切り叩いていた。

「そっか、俺も五十だもんな……ん、待てよ? と言う事は、高志の誕生日は」

「とっくに終わったよ!」

 つっけんどんな態度で高志は言った。

「そりゃ残念だったな~」

 そんな高志の態度に、高生は申し訳なさそうに頭を掻きながら笑ってごまかす。


< 137 / 562 >

この作品をシェア

pagetop