天使の羽根

 思わず仰け反った穂高は「馬鹿じゃねぇの?」と甲高い声を上げてしまった。

「だってさ、お袋と別れて随分経つのに再婚もしねぇし、気持ち悪いくらい穂高に甘いし」

 絶対と言わんばかりに高志は腕を組み頷いて見せる。

 その思考回路が信じられないと言った様子で、今度は穂高が大きく肩を落とし溜息をつく。



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