天使の羽根

「だってする事なかったんだもん」

 そう言って穂高の背後に立っていたあずみは、すかさず両手を差し出して見せた。

「何だよ、この手」

 白々しく穂高が聞くと、あずみは頬を膨らませた。

「お土産は?」

「ねぇよ」


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