天使の羽根

 その言葉にピンと来たようで、あずみは「まさか」と穂高の顔を覗き込むように、ベッドに身を乗り出した。

「智子お婆ちゃんのうどん食べたの?! ずっる~い!」

 思わず退いた穂高は、甲高い声でキンとする耳を塞いだ。

 背中が壁に阻まれ身動きが取れない。

「何でだよ」

「だって、あたしだって暫く食べてないのに穂高だけずるいっ!」


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