天使の羽根

「あたしの誕生日、プレゼント……なんでしょ?」

 はにかみながら、あずみが聞いた。

「……」

 言われて穂高は手の中の小さな箱を握り締めた。

 今更否定しても仕方ないと思い、素直に認める事にしたようだ。

 穂高は、ごくりと唾を呑みこんだ。

「あ、まぁ、そうだけど」 

「だからよ!」

「へ?」


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