天使の羽根
その手にプレゼントは握られていない。
実際、プレゼントを渡す事に必要な心の準備をしていなかったのだ、本当に安心しているのは穂高なのかもしれない。
「全然バカにしてねぇし」
「嘘~顔に書いてあるもん」
「書いてある訳ねぇだろ」
そう言った穂高がベッドから立ち上がると、あずみを横切り窓際に設置された机に歩み寄った。
そして、そっとプレゼントを取り出し、引き出しを開けると、プレゼントを片付け呟いた。