天使の羽根

 穂高は気をしっかりと持ち、ぐいっとあずみの体を引き付けると、そのまま、一気に水面へと泳ぎ上がった。

「ぷはぁっ!」

 大息を吸い込み水面に顔を出した穂高の隣には、あずみの顔があった。

「あずみ!」

「穂高!」

 そう言いざま、あずみには抱え込んだ女の人の顔を水面に引き上げる。

「この人、気を失っちゃったみたい! 早く上げないと!」


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