天使の羽根

 嬉しそうに父親の清(きよし)が言うと、隣の母親、豊子(とよこ)も、うんうんと頷き涙を拭っていた。

「とにかく中へ」

 道彦に促されて、穂高はあずみの手を引き家の中に入る。

 だが、穂高は目の前に広がる光景に息を呑んで立ち止まった。

「……駄菓子……屋?」


< 255 / 562 >

この作品をシェア

pagetop