天使の羽根

「藤波……駄菓子屋……智子」

 小さく呟く穂高の中で、疑心が確信へと変わっていく。

「やっぱり、お婆ちゃんなんだよ」

 追い打ちをかけるように、あずみの言葉が耳に届いた穂高は、込み上げる不安に震え、下唇を噛締めた。


――俺達は、本当に過去へ来たのか……。


 愕然とする心がもう消えないようだった。


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