天使の羽根

 豊子の隣に腰をおろした道彦が、智子の両親に命の恩人だと説明をしている。

 目の玉が飛び出るほどに、穂高を見て興奮していた智子の家族は、道彦の説明で何とか理解はしたらしい。

 だが、いつのまにか、二人の子供は、夫婦の間で寝息を立てていた。

 その頭を撫でながら清が穂高を見つめる。

「本当にアメリカの人じゃないのか?」

 それでも恐る恐る、言葉を選ぶように言った。


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