天使の羽根
それでも高志が特定の相手を選ぶ事はまずない。
同じ人を二度見る事がないのだ。
高志に言わせれば「良い人がいない」らしいが、本当かどうかは、いくら仲が良いとはいえ穂高にも解らない部分だった。
そんな三人は幼い頃から暇さえあればいつも遊び、悪戯をしては高志の祖母、智子に怒られて育った。
いつもならその智子が店番をしているところだが、やはりまだ仕事をするには無理だったのか、そう思う穂高は遠慮しがちに近付く。
「あれ、穂高……今日は学校休みだっけ」