天使の羽根

Act.2


「何、どうしたの?」

 居間を覗き込むと、そこには豊子と向き合い、何やら興奮した穂高がいた。

「豊子さんが、俺に坊主にしろって言うんだぜ?!」

「仕方ないでしょう、この時代に穂高さんの頭は目立ち過ぎます」

 豊子の手を見れば、きらりと光るハサミが握られている。

「でもっ!」

「でももへったくれもありませんよ!」

 豊子はそう言いながら、穂高ににじり寄る。


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