天使の羽根

「無事に帰るためだよ」

 と、真剣な眼差しで言った。

「え?」

 思いも寄らないあずみの言葉に、穂高は途端に目を丸くした。

「もし、この時代で穂高が捕まったりしたら帰れないじゃん……だから、それまで後一ヶ月じゃない、ここは我慢して髪を切ろうよ」

「髪切ったら無事に帰れるのかよ」

「解らない」

「はぁっ?!」


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