天使の羽根

「うん、絶対だよ」

 そう言って、あずみは穂高を見つめると、小指を目の前に差し出した。

「何だよ」

「指きりしよ」

「やだよ」

「いいじゃん」

 屈託なく微笑むあずみに負けたのか、穂高は渋々と小指を絡ませた。

「じゃ、約束」


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