天使の羽根

 穂高は、激しく高鳴る鼓動が、小指から伝わってしまわないかと頬を紅潮させている。

 恥ずかしさに、穂高は早々に小指を放すと、照れ隠しなのか、すぐさま背中を地面に転がした。

 穂高は、いつもとは違う眺めの空を仰ぐ。

「あ~でも、帰ったら絶対に捜索願出てんぞ」

「ふふ、そうかもね。帰ったら何て説明しようか」

「笑ってる場合か」


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