天使の羽根

 キヨが早速、小さなお手玉を手に取り、得意げに歌を歌いながらやって見せた。

「あんたがたどこさ、ひごさ、ひごどこさ、くまもとさ、くまもとどこさ、せんばさ、せんばやまには、たぬきがおってさ、それをりょうしがてっぽでうってさ、にてさ、やいてさ、くってさ、それをこのはでちょいとか~く~す!」

 歌い終わって、あずみが感心しながら拍手をすると、キヨが、チラリと見て照れくさそうに笑った。

「キヨちゃん、お手玉上手だね」

「うん!」

「百合もやるぅ~」

「じゅ・ん・ば・ん! 次はお姉ちゃん!」

 そう言われて、百合は頬を膨らませた。

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