天使の羽根

「たぶん、あの子たちも姉妹じゃないと思うの……」

「え?」

「途方に暮れた二人が寄り添って生きてたって。今よりも瘦せ細って弱ってて、でも唯一、名前だけ自分で言えて、年も解らない。たぶん、四、五歳だと思うんだけど……」

「……そんな」

「それにこんな時代、食糧難で誰も面倒を見る人はいない、いつかは死んでしまう子が他には沢山いるけど、父さんと母さんはこの子たちに出会えたのは運命だと思って育てようと思ったんだって」

 あずみの涙が、止め処なく流れていく。
< 349 / 562 >

この作品をシェア

pagetop