天使の羽根
「難しい事は解んないし、人それぞれ意見は違うと思うけど、あたしなら……傍に居てくれればそれでいいけどな」
思わず穂高は頬を紅潮させた。
――同じ気持ちだ……好きな人の傍にいる事、それで、どんな時でも守る事が出来るんだよな。
穂高は思いながら、そっと、あずみの手に自分の手を重ね触れた。
そういった行動をしてくれた事が初めてだった穂高に、あずみは一瞬焦ったが、その行為がとても嬉しかったのか「ありがとう」と呟いていた。
「何が?」
今度は穂高が不思議そうに聞く。