天使の羽根

「ヤダ、穂高! 一緒に行く!」

「馬鹿言うな! お前だけは危ない目に会わせたくないんだよ!」

「でもヤダ! 傍にいるって約束したじゃない?!」

「我がまま言うな!」

 今までに見た事もない剣幕で穂高はあずみを睨んだ。

「絶対に戻ってくるから」

 真っ直ぐに心に突き刺さる言葉だったが、それでもあずみは納得できない様子だった。

「俺が行く」

 そう言って二人に近付いて来たのは道彦だった。

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