天使の羽根
背後の襖がスッと開き、徐に振り返った穂高は、そこに立つ人物に否応なく驚かされる。
「いないのよ、どこにも……」
その場に立ち尽くしているのが史恵だったからだ。
「か、母さん……何でここに」
「穂高が心配だから」
取って付けたような言い草に、穂高は鼻で笑って見せた。
「は? 俺の心配より自分の男のとこ行った方がいんじゃね?」
「いないのよ、どこにも……」
その場に立ち尽くしているのが史恵だったからだ。
「か、母さん……何でここに」
「穂高が心配だから」
取って付けたような言い草に、穂高は鼻で笑って見せた。
「は? 俺の心配より自分の男のとこ行った方がいんじゃね?」