天使の羽根
 唐突すぎるその言葉を、簡単に鵜呑みにする穂高ではなかったが、驚きがないといえば嘘になる。

 史恵は、どうにか解ってもらいたいと思ったのか、穂高を真っ直ぐに見据え、いつものように視線を逸らす事はなかった。

「穂高の嫌いな水商売だったし……それに、父さんと本当は離婚している事も、自分で仕事している事も言えなかった」

「何、言って……」

< 467 / 562 >

この作品をシェア

pagetop