天使の羽根
高生の言葉に、穂高は納得したように頷くと、メモを受け取った。
「だったら、行くさ」
そう言いざま、高生に背を向けた穂高だったが、崩れ泣く史恵を見流すと、ふいに脳裏を過る言葉があった事に気づく。
すると、何かしらの違和感が湧き出す事に困惑した。
『高校くらいは出て欲しいって思ってたんだけど……やっぱり意味なかったみたいね』
一瞬、ハッと瞼を開き動揺したが、この状況の何もかもを飲み込めたような気がしたのだろう。
穂高は、フッと笑った。
――そっか……そう言う事か……。